構造主義 草稿1

構造主義とは何か。その定義を述べることは難しい。

レヴィ・ストロースの親族の研究、神話の分析に使った思考方法を構造主義と言ってもいいものか?

ソシュール言語学、遠近法はどうかかわる?

まずレヴィ・ストロースは親族の研究で、インセスト・タブーや婚姻クラスなどの謎に頭を悩ませた。それらの難問を解くヒントとなったのがヤーコブソンの教えてくれたソシュール言語学の方法である。もう一つ鍵となったのが、モースの「贈与論」における女性の交換である。この2つを参考にして、親族を交換のシステムと考えると、難問が次々と解ける。そして交換を利害に基づくものではなく、交換のための交換と捉えると、歴史や経済学の見方に批判をつきつけることになった。

次に神話の研究である。神話には人間の精神の隠された<構造>がある、とレビィ・ストロースは考える。神話に隠された構造を解明するために、数学(遠近法)を利用する。ここで、遠近法とは何かの見方である。ユークリッド幾何学デカルトの解析幾何学ニュートンの「プリンキピア」→アインシュタイン相対性理論、というふうに、絶対的な真理と思われていたものはただの制度であることが判明した。

啓蒙思想で宗教的見方から脱しても、真理と思われていたものは、公理に基づくシステムに過ぎなかった。

前提(公理)が変われば真実も変わるのである。

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