誰かに対して怒りを感じることがある。自分は間違っていない悪いのはあいつだと。
しかし本当にそうなのか。自分が正しいなら相手が間違っているというのは、二元論である。その考え方が間違っているのだけではないか。自分も相手も正しいという場合もあるはずである。怒りを感じた瞬間に私たちは二元論に陥ってしまうだけなのではないか。
心理学に「根本的な帰属の誤り」というのがある。他人の行動について、環境的要因を無視し、人間性に帰属させる傾向のことである。たとえば「あいつは細かいことにうるさいからむかつく」という場合に「あいつ=心の狭いやつ」という具合に人間性に着目してしまう。しかし、その人は何らかの環境的要因(例えば客や他の職員や上司からのプレッシャー、それまでの教育)で口うるさくなっているだけで、本当は「あいつ=まじめなやつ or責任感が強い」かもしれない。
もちろん自分自身についてもあてはまる。おそらくほとんどの人が自分は真面目に頑張っていて正しく生きていると思っている。しかし本当は運が良くて頑張れるだけではないか。不当な評価しか得られないと思いがちだが、よく考えるべきだ。